【花粉症にも効果あり?】モロッコのあま〜いミントティー
今週のお題「あまいもの」
モロッコへ行ってきた。海外旅行10年目でいちばんの長旅。今後の状況を鑑みて、今後いつ旅行に行けるのか、もしかしたらもう一生行けないかもしれない、ということもあり、遠いアフリカ大陸の国を選んだ。「カサブランカ」「アラビアのロレンス」「バベル」等、多くの著名な映画の舞台になっているだけあって異国の情緒あふれる国ではあるが、街を歩いていると毎日の生活に必死な貧しい庶民の姿が見られた。少し中国の雰囲気に似ているかもしれない。食べ物にはハエがたかり、カサブランカやマラケシュといった大都市でも脇道に入れば物乞いをしている人々がいる。ヨーロッパに近く、エジプトやチュニジアと並ぶ観光立国とはいうけれど、現実は厳しいものだった。
そんなモロッコで毎日のように飲まれているのがミントティー。日本の茶道のように芸術の一種として捉えられており、お茶の淹れ方には作法がある。カフェに行っても飲んでいるのはみんなミントティー*1。
お茶の淹れ方は複雑で、淹れる人によって好みの濃さも違うため、各家庭やレストランでそれぞれ味が違う。食事をするたびに食後のコーヒー紅茶の代わりにミントティーが出てくるので滞在中わりにたくさん飲んだが、それぞれ味が違っていて面白かった。ミントティーの味は中国茶のような苦味のある感じ。それにお好みで砂糖を入れる。一般家庭にお邪魔して飲んだときのミントティーがいちばんおいしかった。そこのお宅のおやっさんがお茶を淹れるのを眺めていたけれど、手順が複雑すぎて何が何だかよく分からず。
印象的だったのは、高い場所からグラスを目がけてポット(手前の銀のやつ)でミントティーを注ぎ、グラスの入ったミントティーをまたポットに戻し......を4回くらい繰り返していたこと。延々とグラスに入れては戻しを繰り返しているもんだから「???」となった。どうやら砂糖を均一に混ぜるための方法らしい。
このように、グラスに注ぐのは半分以下である。
基本的には中国茶&大量の砂糖&ミントという形になるので甘いものが苦手な人にとってはちょっとつらいかもしれない。茶葉をたくさん入れて砂糖を少なくして苦味を楽しむか、逆に砂糖をどっさり入れて甘くするか、もしくはミントをたっぷり入れる......などといろいろと好みが分かれるのでレストランや家庭によって味が異なるのだと思う。この家庭で飲んだミントティーは程よい甘さでおいしかった。やっぱり甘いほうがおいしい。
すごい勢いでどばどばと砂糖を入れるモロッコ人も多いので肥満や糖尿病になる人が多いんじゃないかと思ってしまった。お酒が飲めないなど厳しい規則があるイスラム圏だからこそスーパーや商店で安く手に入るミントティーが毎日のささやかな楽しみなのかな、と。温かい飲み物だから寒暖の差が激しすぎるモロッコでは身体が温まるし、水があまりきれいではなくても沸騰したお湯を使うので安全に飲むことができる......なんていう利点もあるのかもしれない。帰国してからミントティーについて調べていたら花粉症にも効くとかなんとか。スーパーでもっと買ってくればよかったかも。。
帰り際にキッチンも見せていただいた。さりげなく桜と芸者さんの絵が描かれたお皿が飾ってあった。モロッコには親日家が多いのだ。